エシカルという意味を大切に。正規国産畳専門店として。

エシカルという意味を大切に。正規国産畳専門店として。

畳が、日本から無くなる前に。

畳が私たちの暮らしに根付いてから、すでに1300年が経ちます。奈良時代、聖武天皇が愛用されたことをきっかけに、畳は次第に広がり、厚みや縁の文様で身分差を表すほどに社会に浸透していきました。当初は富裕層の象徴であった畳も、やがて庶民の暮らしにまで普及し、時代を超えて日本人の心と生活を支えてきた文化です。


しかし今、この伝統が静かに消えかけています。原因は「需要の減少」だけではありません。
最大の理由は、日本の藺草(いぐさ)農家が正当に評価されない現状にあります。
令和7年現在、藺草農家の数は200軒を切りました。畳文化を未来につなぐ担い手が急速に減っているのです。


藺草農家は、田んぼで苗を育て、収穫し、乾燥させ、丁寧に織り上げるまでのすべてを一手に担います。肥料や燃料などの生産コストは年々上昇していますが、出荷価格にそれが反映されることはほとんどありません。完成した畳表の価格は市場や問屋が決め、農家自身が値段をつけることはできない仕組みになっているのです。時に「その価格では畳屋が買えない」と一蹴され、農家は正当な対価を得られないまま生計を立てざるを得ません。


その結果、どれほど丹精込めて育てても収入が見合わず、後継ぎを断念せざるを得ない農家が後を絶ちません。
日本の畳文化は「需要がないから」ではなく、「つくり手が報われないから」途絶えようとしているのです。


私はその現実が他人事とは思えませんでした。
当店は藺草農家を「仕入れ先」とは思っていません。むしろ運命共同体です。だからこそ、世話になっている農家には、労力に見合う正当な金額で畳表を買わせていただくよう、誤解がないように最大限気をつけ産地に足を運びました。フェアトレードが行われないことで産地が疲弊するのなら、せめて当店だけでも正しい関係を築きたい。本当の意味での「共に生きる」を選んでいます。


正直に言えば、この姿勢は同業者からは「クレイジーだ」と見られます。ビジネスの王道は「安く仕入れて高く売る」ことだからです。けれども当店はその道を選びません。農家がいなければ、そもそも畳という文化は存在しないのですから。


私がお客様にお願いしたいのは、単なる「安さ」ではなく、「価値」に目を向けて頂きたいということです。畳は自然素材そのものであり、心身を癒やし、暮らしを整える力を持っています。そしてそれを未来に残すことは、つくり手を正しく支えることから始まります。


どうか、畳に限らず、できる範囲でエシカルな視点を持ってください。私たち消費者の選択が、日本伝統文化を守り、農家の笑顔を守り、違和感だらけの日本を変える大きな力になるはずです。

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