とよだ疊店の国産専門店としての理念本物の畳が生む感謝の環
今、畳はかつての姿を少しずつ失いつつあります。
建築様式の変化やコスト重視の流れの中で、畳はどんどん薄くなり、芯材には工業製品、畳表には樹脂や紙といった代用品が使われるようになりました。
見た目は畳でも、そこに宿っていた“機能”や“想い”は薄れてしまっています。
本来の畳には、遮音性・吸湿性・弾力性・難燃性といった天然素材ならではの力がありました。
けれど現代では、その価値は「心地よさ」ではなく「デザイン」や「見た目」へと置き換わり、琉球畳風のヘリ無し畳やカラー畳といった視覚的な製品ばかりが目立つようになりました。
ですが、私が守りたいのは“本物の畳”です。
畳は、ただの床材ではありません。
それは、大地と水が育んだ稲──命の根──を丁寧に縫い締め、やがては土へと還る、自然の循環そのものでした。
畳は呼吸し、やわらかく身体を受けとめ、季節の湿気や音を吸い取って、静かに人の暮らしを支えてくれていたのです。
昔の畳づくりは、日本国内での生産によって成り立ち、誰かの「買う」という行動が、誰かの「生きる」につながっていました。
それは「ありがとう」が循環する、美しい営みでした。
当店は、そんな本来の畳の姿をできる限り守り、次の世代へとつないでいきたいと願っています。
私が作る畳は、見た目だけではありません。身体がよろこび、心がほっとする――そんな畳です。
そして、とよだ疊店の畳を選んでくださるということは、その循環の一部になっていただけるということ。
本物の畳が生む「ありがとう」の環に、あなたも加わっていただけたら、これほど嬉しいことはありません。




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