老舗畳店の畳ドクターが物申すそれ、畳のせいにしないでください
一年に一件二件はご相談があるカビやダニ問題。
当店のお客様なら納品時にキチンと説明しているのでご理解頂いている筈ですが、かかりつけの畳店をお持ちでなかったり、畳替えの経験がない方からすると畳にカビが生えたり、ダニに噛まれる等のイレギュラーが起こると、畳に対してイメージを悪く持たれる方が稀にいらっしゃいます。
結論から言うと、畳からカビが勝手に生えたり、ダニが勝手に湧いたりはしません。
家の環境が悪化した時に一番最初に教えてくれているのが畳、だと言う事です。
いよいよ畳業界が風評被害を訴え出した、と思われるかもしれませんが、違います。
畳は呼吸しています。
夏場蒸し暑い時期は湿気をゆっくり吸い、冬場乾燥しやすい時期に向けてゆっくり湿気を出し家の湿度を調整します。
基本的に一般の畳の表面には天然い草という細長い干し草が使われています。
その天然い草の中には灯心と呼ぶスポンジ状の繊維がたっぷり詰まっており、その構造が水分を吸い家の湿度を調整する機能が備わっているのです。これはネットで検索してひっかかる通りです。
カビやダニでご相談を頂く時、決まって共通点があります。
あまり使わない一階のお部屋・・・カビが生えた
畳の上に敷物をしていた・・・ダニに噛まれた
しばらく家を空けていた・・・カビ&シロアリが出た
これら全て、湿気が溜まるシチュエーションになっています。
カビが生える条件はダニや虫が好む条件と全く一緒で、高温・多湿・栄養の三拍子そろうとリスクが飛躍的に高まります。
これらの環境を改善するのが最も合理的な予防策になり、家も健康を維持できます。
一度発生してしまったカビは、以下の通りに取り除いて除菌して下さい
1まずはマスクを着用しカビを乾かす(いきなり雑巾でこすらない)
2乾いていれば掃除機で吸う
3畳の目に詰まったカビは歯ブラシor柔らかめのタワシで目に沿って掻き出し掃除機
4無水エタノールを霧吹きでファブ○ーズの要領で吹きかけ殺菌消毒
5匂いが残っていれば次亜塩素酸を霧吹くと消臭によく効く
老舗畳店の畳ドクターが物申すカビ&ダニ予防のおさらい
畳は過度な湿度を嫌います。梅雨時期は特に湿度管理が大切です。蒸し暑く感じた日は畳もそう感じていますので、エアコンを活用して湿度60%以下を目指しましょう。畳がまだ青いうちは栄養素が多くカビが生えやすいので、長期外出の際はエアコンのタイマーを設定し、毎日夕方2〜3時間「除湿」をかければカビは防げます。空間の広さによっては時間を長くすれば安心です。
カビやダニの発生条件は同じで、その原因は畳ではなく環境の悪化だということを覚えておいてください。
畳は家中のリスクになる湿気を身代わりとなり吸ってくれています。
畳の種類も色々ありますが、
その素晴らしい働きから、ごろ寝しても汗をかいても風呂上がりにも気持ち良く、逆に家中が衛生的に悪くなると
誰よりも1番に教えてくれます。
ーなんだか畳の匂いがいつもより少し強いかも?
それは湿気を帯びだした証拠です。危険度30%
ー裸足で歩くと少し皮膚がくっつく感じが・・・
だんだん畳が悲鳴をあげ出しました。危険度45%
ーあっ、今ネチャっとした
あっ、それカビです。危険度100%
畳が生まれた1300年前も、これからも、高温多湿の国、日本。
聖武天皇の為に寝苦しい夜をどう快適に過ごして頂くか試行錯誤された末、生まれた畳。
暮らしを快適にする畳の調湿性と言う特性を、どうか上手に扱って下さい。
他にもたくさん素晴らしい効果効能が畳には備わっています。
フローリングでは味わえない、日本ならではの暮らしを楽しんで頂けたら幸いです。
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