尼崎城に納めた手作り畳の今。い草栽培から始めた「ほぼ」兵庫県産畳

尼崎城に納めた手作り畳の今。い草栽培から始めた「ほぼ」兵庫県産畳

とよだ疊店が製作に携わった尼崎城5階にある手縫いベンチ畳

先日大盛況で終えた尼崎城址公園で開催された「つながるマルシェ」
その合間に尼崎城に納めた「兵庫県産畳」を経過観察してきました。

尼崎城に納められた手縫い畳は、兵庫県の自然と職人の想いが詰まった特別な畳です。

当店含む畳好きが集まったチームにより製作したこの畳は、単なる畳屋さんの通常業務による製作ではありません。なんと「い草の栽培」から挑戦したのです。しかも無農薬栽培で。
畳の産地を訪れたことのある畳店は数多くありますが、自ら田んぼを耕し、い草の苗を植え、収穫し、それを畳へと仕立てた経験を持つ畳店はごくわずか。いわば超マイノリティの試みでした。

畳表は当店2階でメンバーが所有する手織り機を使って一枚ずつ丁寧に織り上げ、畳床には兵庫県産の稲藁を用い、昔ながらの工法で仕立てました。その中でも当店が特に携わったのは「い草の栽培」と「畳表の製作」。育てた素材を自分の手で織り込み、畳として形にしていく過程は、まさに“畳づくりの原点”そのものでした。

ただし、畳表や畳床は本来それぞれ専門の職人が担う領域。初めて挑戦した私たちの仕上がりは、プロの完成度には到底及びません。それでも、一から作り上げる苦労の先に待っていた「拙くとも完成した瞬間の感動」は、何物にも代えがたい経験となりました。


こうして出来上がった畳が、尼崎城に納められたという事実は、私たちにとっても大きな誇りです。そこには、地域の恵みと日本の伝統、そして挑戦から得られた学びと喜びが息づいています。

そしてこの特別な畳は現在も「尼崎畳5階」に展示しています。
文章だけでは伝えきれない、い草の手触りや香り、手織りの温かみを、ぜひ実際にご覧いただければと思います。きっと“畳の新しい一面”を感じていただけるはずです。

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