琉球畳で再現する身分を持ち込まない空間へ
― 七島藺の琉球畳という選択 ―
江戸時代、畳は身分を映すものでした。
武家や公家が用いた藺草の畳は、格式そのもの。
空間に静かに序列を宿していました。
一方、庶民が手にしたのが七島藺。
藺草の代用とされながらも、強靭で実用的。
日々の暮らしを支える、力強い素材でした。
本来であれば「格下」とされた存在。
しかし、私はそこにこそ意味を見出しました。
今回の一室のリフォームに込めた思想は、
“身分を持ち込まない空間”。
茶道がそうであったように、
にじり口をくぐれば、武士も町人も関係はない。
肩書きを脱ぎ、ただ一人の人として向き合う場所。
格式を誇示するのではなく、
あえて整えすぎないこと。
あえて上下をつくらないこと。
だからこそ、藺草ではなく、七島藺。
庶民に寄り添い、
日常の中で磨かれてきた素材。
その歴史を受け継ぐ本物の七島藺を用いた琉球畳は、
この空間に静かな意味を与えてくれました。
踏みしめた瞬間に伝わる確かな強さ。
時とともに深まる風合い。
飾りではない、本質。
この畳の上では、すべてがフラットになる。
それが、私があえて七島藺の琉球畳を採用した理由です。
この度は兵庫県尼崎市にある企業さまから、身分を関係なしとする茶道の精神性を自社一室に取り入れるという素晴らしいご相談から始まりました。社長さまを心から尊敬します。
この度のご縁に感謝します。

い草とは全く異なる香り、性質、ストーリー。それが七島藺を使った本物の琉球畳。


芯材には勿論稲藁畳床を採用。今回は納期の関係で手縫いではなく機械縫い。
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