畳の中身、知っていますか?
前回、畳の中身について少し触れました。
畳というと、い草の香りや手触りに意識が向きがちですが、
実際に身体を支えているのは、その下層にある「中身」です。
畳は、畳表と畳縁、そして畳床によって構成されています。
普段目にすることのない畳床ですが、その質が踏み心地や空間の印象を大きく左右します。
現代では、軽さや施工性を重視した素材が使われることも多くなりました。
見た目が同じでも、中身は大きく異なる場合があります。
素材が変われば、畳としての本質もまた変わります。
本来、畳床には稲藁が使われてきました。
自然素材である稲藁は、均一ではありません。
わずかな違いを見極めながら整えることで、一枚の畳に仕上げていきます。
同じものは、二つとありません。
稲藁の質によっても、仕上がりは変わります。
よく育った稲の藁は、しなやかで弾力に富み、手にした瞬間にその違いが伝わります。
針を通したときの感触や、ほのかに立ち上がる香りもまた、その一つです。
畳床は、専業の職人によって幾重にも重ねられ、時間をかけて作られます。
その仕事は、完成すれば見えなくなりますが
年月を重ねることで、違いは静かに現れてきます。
どのような稲であったのか。
どのように重ねられたのか。
どのように仕上げられたのか。
それらが重なり、一枚の畳が出来上がります。
当店は、無農薬無肥料で育てられた稲の藁を用い、信頼する職人の手によって畳床を仕立てています。
見えない部分だからこそ、誤魔化したくないと思っています。
畳は、外見だけでは語れません。
その中身には、素材の力と人の仕事が静かに息づいています。
次回は、畳の上で感じる「落ち着き」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
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