「稲と畳」コラム 第二話

「稲と畳」コラム 第二話

畳の中身、知っていますか?

前回、畳の中身について少し触れました。

畳というと、い草の香りや手触りに意識が向きがちですが、
実際に身体を支えているのは、その下層にある「中身」です。

畳は、畳表と畳縁、そして畳床によって構成されています。
普段目にすることのない畳床ですが、その質が踏み心地や空間の印象を大きく左右します。

現代では、軽さや施工性を重視した素材が使われることも多くなりました。
見た目が同じでも、中身は大きく異なる場合があります。

素材が変われば、畳としての本質もまた変わります。


本来、畳床には稲藁が使われてきました。

自然素材である稲藁は、均一ではありません。
わずかな違いを見極めながら整えることで、一枚の畳に仕上げていきます。


同じものは、二つとありません。
稲藁の質によっても、仕上がりは変わります。

よく育った稲の藁は、しなやかで弾力に富み、手にした瞬間にその違いが伝わります。
針を通したときの感触や、ほのかに立ち上がる香りもまた、その一つです。

畳床は、専業の職人によって幾重にも重ねられ、時間をかけて作られます。
その仕事は、完成すれば見えなくなりますが

年月を重ねることで、違いは静かに現れてきます。


どのような稲であったのか。
どのように重ねられたのか。
どのように仕上げられたのか。

それらが重なり、一枚の畳が出来上がります。


当店は、無農薬無肥料で育てられた稲の藁を用い、信頼する職人の手によって畳床を仕立てています。


見えない部分だからこそ、誤魔化したくないと思っています。

畳は、外見だけでは語れません。
その中身には、素材の力と人の仕事が静かに息づいています。


次回は、畳の上で感じる「落ち着き」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

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これまでお話ししてきたように、
畳の心地よさは、素材やつくりによって生まれています。
ですが現在では、畳のあり方も少しずつ変わってきています