畳の上で感じる「落ち着き」とは
畳の上で過ごすと、
「落ち着く」と感じる方が多くいらっしゃいます。
それは単なる気分だけではなく、
人が自然に受け取っている感覚なのかもしれません。
畳に使われるい草や稲藁は、
柔らかさと弾力をあわせ持った素材です。
座ったときや寝転んだとき、
かかる力をやさしく受け止め、分散していきます。
硬すぎず、沈みすぎない。
その絶妙なバランスが、無意識の緊張をゆるめます。
また、自然素材は空気中の湿度を
緩やかに整える働きがあるとも言われています。
乾き過ぎず、湿り過ぎない空気は、
呼吸を自然と深くしてくれます。
ほんの僅かな違いですが、
人はそうした変化を敏感に感じ取っていると思うのです。
そしてもう一つは、「触れる感覚」です。
人は、目や耳だけでなく、
皮膚からも多くの情報を受け取っています。
畳の上に寝転んだときの安心感。
足裏に伝わるやわらかさ。
そうした感覚の積み重ねが、
心の落ち着きにもつながっているのかもしれません。
私は畳職人なので、その全てを理論的に説明できる訳ではありません。
しかし実際に触れてもらうと、
違いを感じる方が多いのも事実です。
イベントにて素材を伏せて畳を体験して頂くと、
自然と稲藁の畳を選ばれる方が多くいらっしゃいます。
目に見えるものだけでなく、
人が自然に感じているもの。
畳の心地良さは、
そうした見えない部分に支えられているのかもしれません。
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